『無敗』
菊花賞に無敗で挑む二冠馬。
皇帝シンボリルドルフ以来、
無敗の三冠馬を目指すディープインパクト。
「競馬に絶対は無い」けれど、
強い馬が勝つのが菊花賞なら、
邪魔される事なくフェアなレースが見たい。
1992年第53回菊花賞。
三冠馬を目指したミホノブルボン敗れる。
ブルボンの身上は逃げ。
誰も追い掛ける事の出来ない逃げ。
しかしその逃げを邪魔した駄馬と哀れな騎手が居た。
キョウエイボーガンと松永幹夫。
競馬にはロマンがあるとか言われるが現実は厳しい。
サラブレッドは経済動物、
殆どの競争馬には悲しい現実が待つ。
キョウエイボーガンはあの時、
どう見ても脇役で前に出て来る様な馬ではなかった。
にも関わらずくだらない見栄の為に歴史をぶち壊し消えて行った。
騎手もただの並みの騎手に成り下がったまま。
あれは一体何だったのだろう?
今でも思う。
あの駄馬が邪魔しなくても、
ライスシャワーがブルボンを負かしたと。
しかし、ブルボンもライスも何のアシストも受けず、
真っ向勝負で戦って欲しかった。
翌年の春の天皇賞でライスはマックイーンをも倒す。
真のステイヤーであり、チャンピオンになる。
だからこそ、だからこそあのレースだけミソが付く。
明日、何の邪魔も入らない事を祈る。
勝ちたいなら真正面からディープインパクトに挑め。
正々堂々、真っ向勝負をしろ。
はっきり言う、ディープ以外は全て駄馬。
駄馬に乗る哀れな騎手達はおとなしくしていろ。
英雄の誕生に立ち会える幸せだけを噛み締めろ。